メディア・ロゴス又はメディオロゴス論

 メディア・ロゴス(メディオロゴス又は短縮して、メディオ)とは、通常の言語ではない。そう、ロゴスと言語の違いを明確にしないといけない。ヨハネ福音書は、「はじめに、ロゴスありき」であり、「はじめに、言葉ありき」ではないのだ。思うに、差異・粒子のもつ「言葉」・波動ではないか。差異の「言葉」が、ロゴス、メディア・ロゴス、メディオロゴス、メディオではないか。差異の「力」である。差異の「強度」である。差異の波動・「音波」である。差異波動、差異波である。これが、メディオロゴスであろう。無数のメディオロゴスがある。おそらく、言霊やエクリチュールは、これに関係する。このメディオロゴスを、現象化したものが、音声言語や文字言語であろう。メディオロゴスは、多数・複数・無数のものだろう。そして、これが、また、プラトンイデアの一つだろう。そして、アリストテレスエネルゲイア・形相である。そして、フッサールの志向性であろう。ドゥルーズの差異である。また、ハイデガーの存在であろう。東洋の「気」であろう。言語の原完了形であろう。デリダエクリチュールだろう。また、古代キリスト教で言われた種子的ロゴスだろう。また、聖霊だろう。ついでに言えば、言語学は、現象化された言語を一般に対象にしていて、メディア界の「言語」をほとんど看過している。折口の言語論は、メディア・ロゴスを問題にしているのだ。ヨハネ福音書のロゴスも、メディア・ロゴス、メディオロゴスと見るべきだろう。すると、当然、ヘラクレイトスのロゴスもそうである。ここでは、ロゴス=イデアである。空海の言語論も、メディア・ロゴス、メディオロゴスを対象としているだろう(五大の響きあり)。文学とりわけ詩歌は、メディオロゴスを表現するものだろう。メディオロゴスとしての森羅万象界があるだろう。これが、また、八百万の神々の世界、多神教の世界である。あるいは、アニミズムの世界である。そして、また、シャーマニズムの世界である。魂とは、メディオロゴスのことだろう。ブレイクの詩的精霊the Poetic Geniusも、メディオロゴスのことだろう。メディオロゴスが「憑依」するのだろう。物の怪も、メディロゴスであろう。霊やスピリットもメディオロゴスだろう。(死者の霊、幽霊、亡霊とは、メディオロゴスの残像だと思う。)そう、メディオロゴスが万象を形成しているのだ。クラドニの図形である。そして、メディオロゴスの先に、真のイデア界があるのである。奥の院である。メディア界は、本殿だろう。
 とまれ、これまでの哲学、思想は、メディオロゴスに留まっていて、それを土台にしているので、多元論=一元論となったのである。つまり、多元性を創出する高位の次元に一元論を置いてしまうのである。一神教化である。この一の意識は、メディア界、メディア軸の「強度」、すなわち、連続志向強度に起因するだろう。そう、意識に置いて、メディオロゴス、メディア界は、一と意識されてしまうのである。連続化されるのである。メディオロゴスの根源は、不連続的差異論から、多数の差異イデアにしないといけないのである。上記のメディオロゴス(たち)は、不連続的差異化しないといけないである。ある意味で、ヒューム/ニーチェ化である(彼らの天才性は光っている)。ちなみに、安藤氏の解釈する折口の天皇論であるが、それも、不連続的差異化しないといけない。危険である。全体主義化する。そう、ある意味で、大乗仏教化することである。折口自身、神道大乗仏教を重ねているのである。だから、新神道論とは、新神仏論であろう。産霊神を空(くう)とすべきなのである。あるいは、阿弥陀如来である。とまれ、天皇とは、脱構築されて、メディア・ロゴス、メディオロゴスを表現する人となるだろう。もはや天ではなくて、天地である。陰陽である。玄牝、女神である。
 後で、もう少し、深化させたい。

3p.s. メディオロゴスは、量子であるが、また、相対的時空性だろう。いわば、時空子だろう。量子と時空子は一致するだろう。光とは、メディオロゴスである。

4p.s. では、メディオロゴスと資本主義はどういう関係をもつか。情報をメディオロゴスへと発展するならば、情報資本主義は、メディオロゴス資本主義となる。メディオ資本主義となる。それは、正に、創造的資本主義である。差異創造的資本主義である。メディオ創造資本主義である。メディオ・クリエーション資本主義である。


5p.s. 西田幾多郎の哲学とメディア界的な全体主義

西田哲学は、メディア界で閉塞しているように思う。ライプニッツを引き寄せてしまったのである。「一と多、全と個との矛盾的自己同一」とは。メディア界的発想である。でも、メディア界に忠実である。西田哲学は、現象学から発しているが、後一歩突破できなかったと思う。イデア界へと突破できなかったようである。メディア界を不連続的差異化することができなかったのである。