個と特異性4:原個・原特異性と個の「光情報」

個と特異性4:

個や特異性とは、人間において、不連続的差異・境界と連続/同一性・自我との関係において、前者の「知」を批判・積極・能動的にもつことに存すると言えよう。通常、前者は無意識であり、反動的であり、戦争的である(ホッブズ)。おそらく、この個・特異性である不連続的差異・境界の積極的「知」とは、歓喜のある批判的知性であるが、これは、他者と比較するとどういうものなのであろうか。「わたし」という個・特異性と他者の個・特異性とはどういう関係なのか。両者の個・特異性とは何か。
この問題は難問である。つまり、私が想念していることは、イデア界になんらかの個・特異性があり、それが他者と区別されるのかということである。たとえば、イデア界に、個1(わたし)、個2、個3,・・・個4がそれぞれ特異性として存しているのかということである。あるいは、イデア界には原型となる個、原個・原特異性が存しているのか。どちらなのかである。後で検討したいが、とりあえず、後者、原個・原特異性があるとしよう。では、それだけでは、個の特質は説明できないだろう。長嶋茂雄の才能は一茂には遺伝しなかった。才能は、この原個・原特異性では説明できない。だから、先に述べたように、境界の問題がある。境界の情報の問題である。今や簡単に述べるが、境界情報、境界情報宝庫に、個・特異性としての情報があるのだろう。この情報が、出生するときに、いわば「遺伝」するのか。先に物質的遺伝と「星辰」遺伝と言ったが、個情報遺伝はいわば「星辰」遺伝である。あるいは、「光情報」「遺伝」である。
すると、こういうことになろう。原個・原特異性という原型プラス個情報「遺伝子」(個・特異性「光情報」「遺伝」)によって、人間が出生するということになろう。ならば、原個・原特異性という部分では、人間は共通である。いわば、」人間の原型・イデア・デュナミス・「アダム・カドモン」である。しかし、これでは、同形でしかない。真の個・特異性とは、やはり、「光情報宝庫」にある個・特異性の「光情報」に拠るのではないか。
ならば、個・特異性に覚醒するとは、この「光情報宝庫」にアクセスするということだろう。これは「神」の「知」の領域であろう。この「神サーバー」にアクセスすると、本当に他者を知ることになるのではないだろうか。「わたし」という情報とは異なる情報をもつ他者を知るのだ。多数ないし無数の他者がいるだろう。そして、それは、永遠だろう。(後で、さらに詳述展開したい。)