人間個体の生成のシステム:体系図(完)

【パート1】

1)星辰差異(遺伝子) 
A. イデア界・・・星辰差異/虚度
B. メディア界・α.星辰差異プラス強度・・特異性・コギト
          β.星辰差異マイナス強度・・「星座」原型


2)継続・連続差異(遺伝子):現象界 
 A. 物質的個体(身体/精神)・・・マイナス強度性
 B. 性的個体(身体/精神)
   α.♀(雌)・・・プラス強度(メディア界のイデア極)
   β.♂(雄)・・・マイナス強度(メディア界の現象極)

先に、「受精と占星学:空想3」において、星辰遺伝子と継続遺伝子との合体が、人間個体の意味であると述べたが、それをさらに分節化・精緻化してみたのが、上図である。問題になるのは、1と2におけるメディア界の位置づけである。次のように考えよう。すなわち、1の星辰差異(遺伝子)において、不連続的差異論の三界性が成立するだろう。すなわち、星辰差異は、継続差異と連結しつつ、現象化するということである。また、2の継続差異(遺伝子)においても、同様に成立するだろう。ただし、2の場合、星辰差異というよりは、物質的生命的個体の差異がイデア界となり、それのメディア界化において、雌雄の性的個体性が分化し、そして、現象化して、物質的個体(人間個体)になると見るべきであろう。だから、上図はさらに周到なものに替えられるべきである。


【パート2】

1.星辰差異(遺伝子)

 A:イデア界・・・星辰差異/虚度
 B:メディア界・星辰差異+強度・・・特異性・コギト
       星辰差異−強度・・・「星座」原型・イデア
 C:現象界・・・・星辰個体(身体/精神)

2.継続差異(遺伝子)

 A:イデア界・・・継続差異/虚度
 B:メディア界・・継続性的差異+強度・・・雌(♀)
         継続性的差異−強度・・・雄(♂)
 C:現象界・・・・継続個体(身体/精神)

3.星辰/継続差異個体(現象人間個体)(=1+2)


問題は、1と2の「差異」である。思うに、2の継続差異とは、1の星辰差異のBのメディア界の星辰差異−強度と同じレベルにあるのではないかと思う。つまり、こんこ継続差異とは、根源の差異が連続化された差異であるように思える。だから、継続差異のイデア界とは、正確に言えば、疑似イデア界である。あるいは、下位イデア界、準イデア界である。連続的差異=微分の「イデア界」である。だから、2のイデア界は、正確に表記するには、メディア界=連続差異的イデア界である。だから、修正すると、

1.星辰差異(遺伝子)

A:イデア界・・・星辰差異/虚度
B:メディア界・・星辰差異+強度・・・特異性・コギト
         星辰差異−強度・・・「星座」原型・イデア
C:現象界・・・・星辰個体(身体/精神)


2.継続差異(遺伝子)

A:メディア界・連続差異的イデア界・・・継続差異/虚度
B:連続差異的メディア界・・継続性的差異+強度:雌(♀)
              継続性的差異−強度:雄(♂)
C:現象界・・・・・・・・・継続個体(身体/精神)


3.星辰/継続差異個体(現象人間個体)(=1+2)


このように、とりあえず、なるだろう。これで、いちおう、人間個体の生成の概念を不連続的差異論に基づいて一貫整合化できたであろう。

p.s. このシステムによって占星学は、合理的根拠を与えられ、同時に、変革されたと言えよう。ポスト占星学である。差異宇宙論とでも呼ばれるべきものとなったと言えよう。D.H.ロレンスが最晩年、惑星が人間の生命に影響を与えると、奇矯と思えることを述べていたが、今やそれは、正しくは、星辰差異が人間の生命を規定するということになろう。そして、地球もこの星辰差異の虚度ないし強度に規定されるのである。自然科学ならび科学全般はこの星辰差異論によって書き換えられ、包摂されることとなる。