プラトンのコーラについて：ネット空間はコーラではないか
[叡智学] プラトンのコーラについて：ネット空間はコーラではないか
ネット空間とは、多様な、異質なものを平気で、併存させる空間であり、ある意味で、無差別である。これは、プラトンが言う「コーラ」とほぼ等しいように思う。差異共立の空間は、充分、「コーラ」と呼びうるだろう。では、このネット空間＝コーラとは何かである。これは、不思議な空間であろう。一応、ルールはあるが、それに準拠すれば、誰でも発信できる。だから、公共空間である。この公共空間は、バイアスがかからない。個々が、責任者である。すなわち、差異的である。つまり、これは、差異空間であり、イデア界に近いのだ。この新しさに気づいているのは、ネット経済経営者であろう。新しさという言い方では不十分であろう。これは、画期的・革命的空間である。たとえば、ブログは、メール、ＭＬ、ＨＰ（通常の）をはるかに超えたメディアである。ここでは、思うに、人はコギトになるのだ。日常のしがらみを離れて、自由な差異＝コギトになるのだ。これは、解放である。言いたいことが言えるのは、快感である。ものいわざるははらふくるるわざなり。結局、これは、差異空間である。差異公共空間である。差異民主主義空間である。
プラトンが「コーラ」と呼んだものは、なんでも受容し、それを具体化する空間である。プラトンがイデアと呼んだもの（の一つ）は、差異共立構成態である。では、「コーラ」とは何か。イデアと対になるメディア界の境界であろう。メディア界と現象界の境界である。ここは、まさに、カントが超越論的形式と呼んだものである。
p.s. 果たして、コーラが超越論的形式に等しいものでいいのだろうかと思う。上記の文章は矛盾している。イデア界的であると言っているからだ。だから、もっと熟考しないといけない。そう、それは、超越論的形式に当たるのではなく、逆に、イデア界からメディア界にかけての領域に思える。不連続的差異という無形の存在があり、そこから、回転して疑似連続性をもつメディア界を形成する。メディア界は、他方では、イデア界・不連続的差異的である。だから、メディア界におけるイデア界性、私がイデア面と言ったものに当たると考えられよう。イデア面としてのコーラである。
p.p.s. だから、コーラはほぼイデア界を指していると言っていいだろう。プラトンのイデア論とは、メディア界論とも言えるだろう。イデア界と現象界の境界であるメディア界という領域において、一方では、その現象の原型であるイデア（花のイデア）を見て、他方では、原型の根源である不連続的差異の存するイデア界を見ているのである。先に述べたことの繰り返しとなるが、善のイデアとはイデア界そのものであり、コーラとは前メディア界である。さて、ここから差異経済を見るとどうなのということである。それは、コーラ的である。これまでにない斬新な、独創的な商品が生まれて行き、消費者に価値として益するのである。（ホリエモンはコーラ的経営者ということになろう。）コーラ差異経済とは、当然、連続的同一性・超越論的形式の近代主義的経済と衝突するのである。そう、ギリシア神話で喩えれば、神々から火を盗んだ反抗革新派プロメテウス型差異経済と体制守旧派ゼウス型連続経済の闘争である。巨人（ティタン）族と神々の戦争である。あるいは、縄文・ヒミコ族と弥生・天皇族との闘いである。あるいは、多神教と一神教との闘いである。
3p.s. では、アメリカ資本主義とは何か。というか、グローバリゼーションの意味であろう。これは先にも述べたが、ノマッド（遊牧民）化したグローバル・資本であり、『帝国』の脱国家型資本である。『帝国』資本である。これは、一神教的なアメリカ資本主義ではないだろう。なぜなら、後者は、連続同一性の資本主義であるからだ。民族国家資本主義であるからだ。それに対して、『帝国』の資本主義とは差異資本主義であり、世界を差異資本化しようとしていると考えられる。ホリエモンはこの『帝国』の差異資本主義なのである。『帝国』の襲来である。
4p.s. 正確に言えば、グローバリゼーションとは、一神教的アメリカ資本主義と多神教的ノマッド資本主義とが重なっているのである。
http://www.geocities.co.jp/Milkyway/3019/Moon-drops004.html
http://www.george24.com/~the-word/prometheus.html
http://members.at.infoseek.co.jp/copy_and_copyright/promethe/Prometeu.html
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/prometheus.html
画像は以下から
http://www15.tok2.com/home/dorian/Greek/Prometheus/Prometheus.bak
