個と自我:自己問題

個と自我:自己問題


テーマ:検討問題:思考実験・仮説・エッセイ・メモ


個とは英語でindividualtyであるが、後者は、同時に自我、とりわけ、近代的自我の意味にもとられうる。
 どうも、individualityとは、個と自我の混淆した概念であると思われる。また、ego、self、subjectivity、等をどう考えるのか。
 結局、PS理論の原理的説明が整合的になるだろう。今は、ざっと述べるだけだが、

凸iは原自我、
凸i⇒+1が、自我、近代的自我

凹iが原他者、
凸i*凹iが、原自己、
凸i*凹i⇒が、個ではないのか?

だから、一般には、individualityは、凸i⇒+1と凸i*凹i⇒が混淆、連続化しているのではないのか。
 つまり、連続性の問題である。⇒は連続性を意味するだろう。だから、凸i*凹i⇒が+1と連続化するのである。
 つまり、自己認識方程式、

凸i*凹i⇒+1

において、左辺は、個元であるが、MP変換によって、+1と連続化して、自我、近代的自我と連続化されるということだろう。
 ルネサンスは、正に、この図式に当てはまると考えられる。本来、個の覚醒であるが、それが、⇒+1の近代的自我へと連続化したのである。つまり、ルネサンス文化の帰結は、デカルト哲学である。
 しかし、それとも異なる方向性があった、あるのである。それが、MP回帰の不連続化である。それは、西洋哲学的には、キルケゴールニーチェ、そして、フッサールによって表現された。もっとも明確なのは、フッサール現象学である。
 ここで、仏教(原始仏教大乗仏教を本来は区別すべきである。原始仏教には、-1が示唆されているのではないだろうか。大乗仏教は、MP的である。)を考えると、本来、空の哲学は、あるいは、禅哲学は、MP回帰を意味する。後者は、とりわけ、⇒+1の連続化をデリダ以上に断固否定してきたのである。つまり、不連続化、MP回帰、⇒回帰である。
 そして、鈴木大拙西田幾多郎の哲学はそれと同質的であり、理論的進展である。差異共振は⇒+1であり、⇒は差異共立である。
 そして、差異共立から-1への根源回帰が作用しうるのである。おそらく、一如というのは、あるいは、如来というのは、それを意味しているのではないだろうか。
 ここで、西洋、近代西欧に戻ると、フッサールの切り開いた、不連続化への方向が、すぐさま、ハイデガーによって、連続化へと引き戻されたのである。つまり、西洋において、哲学的反動が起きたのであり、結局、それが、その後の西洋哲学の混乱、混迷の根因と思われる。
 存在論であるが、それは、思うに、-1の「存在」を意味すべきである。つまり、超越的存在、超在である。しかるに、ハイデガーの「存在」は、⇒の先端に過ぎないと考えられる。つまり、構造主義の構造と似るのである。
 確かに、カントの超越論は、一つの切断であったが、それは、⇒の先端を捉えたと思われる。しかしながら、カントは、同一性ないしは、理性主義、凸iの意識を支点にしていたので、凹iとの共立によって、-1への超越的存在への方向は、指摘できずに、実践理性によって、-1を示唆したと言えよう。
 結局、西洋文明・文化は凸iに強く傾斜しているので、東洋文化のような凹iのエネルギーの極を純粋に確認できないのである。それは、西洋では、神秘主義になるのである。勿論、反動的要素が強いのではあるが。
 しかしながら、20世紀後半における、東洋文化流入によって、西洋文化は変容を起こしていると考えられる。広義においては、ポスト・モダンもその流れの一端ではあったが、それは連続性に囚われていたので、挫折したのである。
 政治的にナショナルとは、MP回帰であろう。インターナショナル、グローバルは、⇒+1である。
 また、オバマ路線の原点はMP回帰のトランス・モダンである。それは、米国がもっている、超越的文化が影響しているのではないだろうか。欧州は超越的文化を⇒+1の近代合理主義で、否定してしまったと考えられる。そのため、精神性が欧州では衰退したと考えられる。ただ、英国文化には、ケルト文化が背景にあるので、精神性がそれなりに保持されていると考えられる。
 思うに、一神教の問題がある。超越神とは、-1であろう。そして、プロテスタンティズムは、個において、超越的存在への感応をもたらしたのではないだろうか。ルネサンスが⇒ならば、プロテスタンティズムは、-1への再帰ではないのか。米国の伝統はこれを保持しているのではないのか。
 現代日本は、根源的超越性を見いだすべきである。とまれ、一神教多神教との融合が今日起っているだろう。オバマ大統領の精神にそれを見ることは可能である。
 私はこれまで、一神教に断固否定的であったが、-1を考えると、肯定すべきである。思うに、明治維新は-1への志向性をもっていたと思う。それが、戦後、近代合理主義で喪失するのである。明治維新は日本における一神教的変革と見ることができるのではないだろうか。神道が復活するには、一神教性と多神教性を融合すべきである。プロテスタンティズムルネサンスの融合ということである。そして、この融合志向は本来のルネサンスの知にもあったのである。
 後で整理したい。
 

参考:

ラルフ・ウォルド・エマソン エマソンの論文集 「自己信頼」 「償い」  「精神の法則」  (1/4)

訳:永間幸子・国分舞・樋口謙一郎 

 

人は自らの星

誠実で完全な人をつくりうる魂は

すべての光を、すべての影響を、すべての運命を支配する

人の身に降りかかるものに、早すぎるものも遅すぎるものもない

われらの行いは、良いものも悪いものも、われらの天使

常にわれらに寄り添い歩く運命の影

ボーモントとフレッチャーによる「正直者の運命」へのエピローグ
自己信頼

  • 1-

 魂は常に、独創的な言葉から戒めを聞き取ります。言葉がもたらす感情は、言葉が内包するいかなる思想よりも価値のあるものです。 自分の思いを信じること、自分の心のなかの自分にとっての真実はすべての人にとっての真実だと信じること、それが才能なのです。あなたが心のなかで確信していることを語れば、そのときそれは普遍的なものになります。最も深いところにあるものが、ときが経てば表面に出てくるように、私たちの最初の思いは、最後の審判のラッパの合図とともに私たちの身に戻ってきます。

モーセプラトン、ミルトンの最大の功績は、書物や伝統にとらわれずに、他人の考えではなく自分の思いを語ったことにあります。人は、自分の精神をよぎる内なる光のきらめきを見つけ、見つめていくべきなのです。しかし、人は気づかぬうちに、それが自分の思いであるという理由で、自分の思いを追いやってしまいます。才能のこもった仕事には、私たちが捨ててしまっている自分自身の思いを見出すことができます。それらの思いは、ある種の威厳とともに私たちのもとに戻ってくるのです 。

http://www.internal.co.jp/services/selfhelp/emerson/emerson1.phtml


Transcendentalism
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This article is about the nineteenth-century American movement. For other uses, see Transcendence (disambiguation) and Transcendental (disambiguation) .

Transcendentalism was a group of new ideas in literature , religion , culture , and philosophy that emerged in New England in the early to middle 19th century. It is sometimes called American transcendentalism to distinguish it from other uses of the word transcendental . Transcendentalism began as a protest against the general state of culture and society , and in particular, the state of intellectualism at Harvard and the doctrine of the Unitarian church taught at Harvard Divinity School . Among transcendentalists' core beliefs was an ideal spiritual state that "transcends" the physical and empirical and is realized only through the individual's intuition , rather than through the doctrines of established religions. Prominent transcendentalists included Ralph Waldo Emerson , Henry David Thoreau , Walt Whitman , Amos Bronson Alcott , Orestes Brownson , William Henry Channing , James Freeman Clarke , Christopher Pearse Cranch , John Sullivan Dwight , Convers Francis , Margaret Fuller , William Henry Furness , Frederick Henry Hedge , Theodore Parker , Elizabeth Peabody , George Ripley , and Jones Very .[1] [2]


http://en.wikipedia.org/wiki/Transcendentalism