現代日本男性の精神の弱さについて:Media Pointの排除に拠る個の喪
現代日本男性の精神の弱さについて:Media Pointの排除に拠る個の喪失
テーマ:日本ルネサンス:西洋を包摂した新東洋文明
これは知られたことではあるが、解明したい。
既述したように、男性には+i傾斜があるために、Media Pointを女性のようには(もっとも、最近は父権化している女性が多いので、女性にも関係するのだが)、純粋に保持できない力学があるのである。
確かに、Media Pointは「女性」的な面がある。思うに、イタリア・ルネサンスはMedia Pointの開花であると考えられ、それが、欧米に普及したのである。日本でも、明治維新にはそのような向きがある。
私見では、プロテスタンティズムもこれから影響を受けているし、反宗教改革にもこの影響がある。つまり、近代の原動力としてのMedia Pointである。しかしながら、デカルト哲学や近代合理主義でわかるように、Media Pointが同一性と連続化されて、Media Point自体が否定、抑圧、排除、隠蔽されたのである。
その原因は父権主義、西洋の父権主義のためである。本来、Media Pointは母権的なものである。これを、父権的一神教の西洋文化は認めることができないのである。
しかしながら、父権と母権との二重性があることを確認すべきである。そして、トランス・モダンとは、父権的近代を超克して、出現する新母権であると考えられる。(母権という言葉に語弊があるので、女権、女性精神等とした方がいいかもしれない。用語については後で検討したい。)
問題は近代・現代日本である。日本は本来的に母権文化の国であるが、儒教的封建制や国学的一神教性によって、父権へと傾斜した面が強いのである。つまり、連続性や同一性への傾斜である。
本来の日本伝統的精神文化は漢籍や仏教等(武道も含む)によって、Media Pointを涵養するものであった。しかし、それがナショナリズム的同一性や近代合理主義の同一性等の近代化によって不明確なものとなり、混濁し、衰退していくのである。
そして、また、国家神道の狂信性によって、敗戦・亡国となり、米国や売国奴による洗脳的支配、植民地的支配を受けることになったのである。このとき、基層の母権文化が決定的に否定されたと言えよう。つまり、日本は自己否定態となったのである。即ち、自己民族文化的基盤を喪失したのである。換言すると、日本民族文化的個の原理を喪失したのである。そして、父権的な近代合理主義が進展したのである。いわゆる、男性社会である。
結局、Media Pointを喪失しているので、現代日本人は、精神の核、個の核がないのである。それが締まりのない痴呆的様態を生んでいるのである。今日の政治的状態はそれを象徴していると言えよう。
オバマ大統領を見てわかるように、今や、米国はトランス・モダンへと転換しているのである。新母権の時代なのである。日本は伝統文化を復興・復活させる必要がある。
追記:母権は東洋的精神、東洋的原理と呼ぶと語弊がなくなるだろう。後でさらに検討したい。