男性原理が女性原理を恐れる根拠について:陰が中心であり、陽は円周

男性原理が女性原理を恐れる根拠について:陰が中心であり、陽は円周・周囲・周辺である(仮説)


テーマ:父権物質文明から新母権霊性-霊物文明へ


先に以下の参考の考察を提起した。
これは、これまでなかった視点である。単純に言えば、


「太一=陰=中心にして、陰陽円が形成され、陽は円周となる。」


ということである。
 根源、ベースは、太一=陰である。『老子』では、根源を玄牝(げんひん)と呼んでいる。(そう、谷神(こくしん)である。谷は内在性、潜在性、また、神は超越性を意味しよう。)
 玄牝=谷神とは、太一=陰=中心(=MP)に相当するように思えるのである。
 さて、この根源、暗い根源ダーク・ソースdark source(ダーク・マザー、暗い母とも言えよう。そう、黒い聖母、黒いアテナ女神を想起する)に対して、円周ないし球面に陽が存すると思う。しかし、中心と陽はいわば、分離しているのである。陽は自分が根無し草的であるのを感じよう。根源から切り離されているのである。
 そう、ニーチェの『悲劇の誕生』の言葉を借りれば、ディオニュソスが太一=陰=中心であり、それの投影として、アポロ=陽が存するのである。
 極論すれば、アポロ=陽は幻影である。
 とまれ、円周=陽の父権的自我は、中心=陰=母権を感じるがそれにコンプレックスを感じるのである。何故なら、それは、自分には失われた根源であるからである。自分は中心から浮標している存在であり、根源が喪失されているのである。
 円周=球面=陽=父権的自我は、中心=陰=母権を認識できず、それを排除したりして、自己同一性の世界を形成するのである。父権的合理=物質=現象主義の世界である。
 そう、太一=陰=中心=暗い根源=母権は、円周=球面=陽=父権自我にとり、超越的領域なのである。父権は、超越神を形成するが、根源を「父」、男性、父権にしてしまうのである。本来は陰=母権であるのにかかわらず。言い換えると、陽に拠る陰の簒奪があるのである。陰=母神を父権的超越神にメイクアップしてしまうのである。
 そう、陽が中心になったとき、二元的分裂が生じるのである。陽を天にし、陰を地にするのである。それは絶対的二元論であり、二項対立である。
 しかしながら、それは、陽の視点である。
 本来は太一=陰=中心=暗い根源=母神・母権から始めないといけないのである。そこでは、陰陽共振が形成されているのである。陰は陽をいわば、分有するのである。陰のいわば一部として、陽が形成されるのである。あくまで、陰が主体であり、陽は従者である。
 この陰陽「位階」が本来であり、陽中心の位階(陽主陰従の二項対立)は倒錯的なものである。
 今日の文明は父権文明であり、本来的に倒錯しているのであり、正統な母権文明の陰主陽従の陰陽共振の法を排除しているのである。
 身体的に言えば、陰文明とは、肚主体の文明である。今日の父権文明は頭主体の文明である。
 東洋文明は本来、陰文明であり、西洋文明は陽文明であるが、後者が世界を支配しているのである。しかしながら、今は、後者はその存在意義を喪失して今や反動的破壊主義になっているのである。
 そして、今日、今や新たな陰文明の黎明期となっているのである。
 とまれ、これで、


太一=陰=中心=暗い根源=母神・母権


自我=陽=円周=明るい表面=父神・父権


という図式の仮説が立てられよう。
 今はここで留める。


参考:

不連続的陰陽ヴィデア論:陰陽ヴィデアリズム:太一⇒陰陽分極(陰陽円)⇒陰陽共振⇒生命螺旋宇宙


2)太一(太極)は陰と通じている。陰に太一が存するように感じられる。この陰とは別に陽が分極化するということではないのか。
 陽が陰へと回帰するときが、現象化ではないだろうか。
 まだ、十分洞察できていない。
 太一が陰に内在する。陰を原点とすると、原点の周囲に陽が形成されるのだろうか。点というより、円を考えるべきか。
 陰が中心で、円が生じる。その円周が陽ということか。次のような生成図式を考えてみる。


 0(ゼロ):太一⇒?陰陽円(陰が中心点で、陽が円周?)⇒?陰陽共振⇒?生命螺旋現象


?が陰陽分極様態である。陰陽円が形成されている。その中心は陰であり、円周が陽ということである。陰陽分極であり、離反の力がはたらいていると考えられる。
 それから、牽引の力がはたらいて、陰陽が共振するようになる。そして、このとき、次元転換が生じると考えるのである。
 空間的に言えば、陰陽円の平面に直交する軸が生じるのである。それが、時間ー物質ー光の軸(一次元)ではないだろうか。
 そして、空間三次元であるが、それは、四元(しげん)数の三つの虚数i、j、kの軸によって形成されるということではないだろうか。この点は検討課題である。


追記:陰陽円と原子との関係に触れるべきである。また、陰陽円の中心とMP(メディア・ポイント)について考察すべきである。

http://ameblo.jp/neomanichaeism/entry-11533748957.html


参照:
老子:道経:成象第六 - Web漢文大系
kanbun.info/shibu02/roushi06.html - キャッシュ
老子:道経:成象第六. 成象第六. 谷神不死。是謂玄牝玄牝之門。是謂天地根。綿綿若
存、用之不勤。 谷神 ( こくしん ) は死なず。これを 玄牝 ( げんぴん ) と謂う。玄牝の門
、これを天地の 根 ( こん ) と謂う。 綿綿 ( めんめん ) として存するごとく、これを用いて ...

http://kanbun.info/shibu02/roushi06.html


参照2:
黒い聖母 - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/黒い聖母 - キャッシュ - 類似ページ
黒い聖母 (くろいせいぼ) は、一般に黒い聖母マリア及び聖母子の画・像。 聖画・像が
ただ単に黒ずんだものもあるが、キリスト教信仰以前にオリエント一帯に広まっていた
地母神信仰が吸収されたものともいわれる。 また、芥川龍之介の短編作品にも「黒衣 ...

Black Athena - Wikipedia, the free encyclopedia
en.wikipedia.org/wiki/Black_Athena - キャッシュ - 類似ページ
Black Athena: The Afroasiatic Roots of Classical Civilization is a controversial
three-volume scholarly work by Martin Bernal. He discusses Ancient Greece in a
new light. Bernal's thesis discusses the perception of ancient Greece in relation
to ...

『黒いアテナ』のすすめ 小田 実 - PR誌「機」 | 藤原書店
fujiwara-shoten.co.jp/main/ki/archives/2004/06/post_877.php - キャッシュ - 類似ページ
2004年6月1日 ... 西欧による古代ギリシア史の偽造を暴く問題作、遂に刊行! 『黒いアテナ』の鮮烈な
主張 昔はよく現代のギリシア人が「黒い」のは、金髪、白い肌、長身、長脚のギリシア
彫像の栄光の時代のあと、ギリシアの周囲の蛮族(英語のバーバリアン ...

古代の女神 「黒いアテナ」を読む - 猫と女神
www.nekomegami.com/2012ne/black_atena.html - キャッシュ
2012年7月25日 ... ギリシア文明がエジプト・フェニキア等アフロ・アジアから大きな影響を受けて発展した
ことを、文書的・言語学的・考古学的に示した『黒いアテナ』(全3巻)。近代の人種差別的
・過剰な科学主義的〈アーリア・モデル〉によって駆逐された考えを ...