現象界とは何か:数学的座標や差異の回転の視点から考える

先に、イデア界のガウス平面(複素平面)における差異の90度回転から、女男の強度システムについて考察した。そこで、座標における現象界の位置づけを問題として指摘したので、ここで検討したい。
 さて、簡単に説明すると、差異がx軸にあり、それが90度回転して、y軸に移動する。このy軸が連続化を意味し、イデア界とメディア界との境界である。そして、メディア界自体は、xy座標と直交するz軸にあると見る。しかし、このメディア界自体は、現象界と接している。つまり、z軸とはメディア界と現象界との境界である(先の私の用語で言えば、y軸は差異極・差異面であり、z軸は連続極・連続面である)。
 問題は、このz軸と現象界自体との関係をどのように見るかである。一つの作業仮説として、z軸と直交する現象平面を提起すればいいのではないだろうか。それは、イデア平面(イデア界のガウス平面)から見たらどうなのだろうか。それは、一種平行しているのではにだろうか。すなわち、メディア界(z軸)を垂直の柱とすると、たとえば、底面にイデア平面を置くと、天井面に現象面が来る。あるいは、逆に、天井面をイデア平面とすると、底面が現象面となる。どちらでもかまわない。見方による。上下は交換できるのである。一種位相空間である。(さらに、以前述べたが、両面を圧縮して、差異平面にすることができる。その際、メディア界はどうなるのかと言えば、なんらかの紋様となるだろう。そう、螺旋、渦巻、カドゥケウスの杖、太極図、∞等々になるだろう。ゴッホはメディア界を表現しているのだ。)
 このように作業仮説すると、z軸と現象平面との関係を見ると、たとえば、現象平面を大地とすると、z軸は地下への穴になったりするだろう。たとえば、『不思議の国のアリス』における地下へのうさぎの巣の穴のようにである。あるいは、『ジャックと豆の木』の豆の木のようになるだろう。ダンテの『神曲』では、地獄の螺旋階段的通路がそうだろう。
 結局、連続化された差異は、z軸を介して、現象平面において、捩れを生じるのだろう。すなわち、z軸の方向が時間軸であり、それに対して、現象平面のαβ座標平面において、円環を描くが、時間的経過で、らせん運動をするのである。ならば、たとえば、巻き貝のらせんは同説明するのか。つぶ貝のような巻き貝。アワビのような巻き貝。それは、係数の変化で対応できるだろう。つまり、らせんの方程式の係数の数値を変えれば、形成されるだろう。結局、直観・想定であるが、イデア平面の差異の回転・円環が、z軸(メディア界)を介して、現象平面においても、同様の回転・円環を描くのではないだろうか。そして、それは、z軸という時間をもっているので、らせん形態になるのではないだろうか。つまり、イデア平面の回転・円環が、現象平面においては螺旋として発現するということである。後で、より精緻に検討したい。