現在のユーロ危機についての私見

テーマ:超世界恐慌:黙示録:最終戦争と最後の審判


私の知り合いで、以前、マーストリヒト条約の締結に対して、反対していた人がいたが、今や、それは、正鵠を射ていたと言えよう。
 EU/ユーロの失敗はドルの二番煎じを求めたことにあろう。ドルとは異なる通貨システムを作るべきであったのに、それを模してしまったのである。また、米国以上に金融派生商品に依存する体制をつくったことにも、失敗の原因がある。(追記:また、欧州の社会民主主義という左派的体制の非生産性も原因である。)
 とは言え、今の状況は、国際金融資本のあざとさに思いが行くのである。国際金融資本は、いわば、EUを利用したのである。国際金融資本という同一性資本にEUのトップは、盲目であったのである。米国以上の国際金融資本の猟場となったのである。
 結局、今では、遅きに失したのである。あまりに狡猾な国際金融資本(国際同一性資本)に早く気づくべきであったのである。そう、それは世界の癌・悪性腫瘍である。
 結局のところ、国際金融資本・国際同一性資本に依存しない方策を構築する必要があると言えよう。そう、それは、ある意味で金融的な鎖国を意味しよう。しかしながら、絶対的な鎖国は当然不可能である。
 とまれ、今日の黙示録的危機(というか、大破局である)には、途轍も無い苦悩・苦痛を経る必要があるということであろう。甘やかされた今日の若者にとってはあまりにも苛酷であろうが、それが天命である。


参照:

■ ユーロ大崩壊へ 朝倉慶 http://www.funaiyukio.com/money2/

 【抜粋: そもそもユーロ創設は歴史的に壮大な実験だったのです。国家が違った国々が通貨を統一するというかつてなかった試みでした。様々な動機があったと思いますが、戦火を繰り返してきたヨーロッパ地域の統一の夢や、米国に対抗して強い経済圏を構築すること、また東西統合したドイツの肥大化を恐れた周辺諸国の意識など、多くの理想や思惑の元に創設されたのです。通貨を統一すれば、そのすべての国々は通貨発行権を放棄するわけですし、自国の中央銀行、日本でいえば日本銀行の権利を放棄して統一した中央銀行を作るわけですから、まさに思い切った試みだったのです。
 そしてその試みは上手く成功して、ユーロ圏のゆるぎない発展を感じさせることもあったのです。しかし、リーマン・ショック後の経済の混乱とマイナスに陥った各国の経済状況の中で、いよいよその大いなる矛盾が頭をもたげてきた、今はついにその矛盾の大きさからユーロは内部崩壊に向かってきているのです。
 これは日本のケースで考えると、たとえば日本と韓国を中核としてアジア地域、べトナムやインドネシア、フィリピン、マレーシアあたりのASEAN諸国を一まとめにして統一通貨を作ったと想像すればわかりやすいと思います。ユーロ圏に当てはめると、日本はドイツ、韓国をフランス、その他の国々をギリシアやスペイン、イタリアなどと考えてみるとどうでしょうか? 日本と韓国は強いですが、フィリピンやインドネシアはまだ、日本や韓国の経済には追いつきません。
 しかしながらこのようなアジアの通貨統合が起こったとすると、まず、日本などの輸出型の経済の国にとっては為替の変動の問題がなくなります。すると好きなようにアジア地域に輸出が増えるというメリットが起こります。
 現実にユーロ圏の創出においてドイツは、ユーロ域内の輸出が大幅に増えたのです。ドイツマルクを使っている時に比べて、為替変動がないということは圧倒的に有利だったわけです。また通貨統合をすると、その統合された比較的国力の弱い国、アジアのケースで考えるとフィリピンやベトナムですが、これらの国は通貨が日本や韓国と一緒になると、その強い通貨圏に入ったということで、信用が上がるのです。強い国と一緒の通貨を持てたからです。これが現実にユーロ圏では起こりました。ギリシアやスペイン、イタリアなどがユーロを導入したということで、一気にそれらの国の信用が上がったのです。信用が上がるということは、いわゆる資金、お金が借りやすくなるわけです。また外からの投資が増えるわけです。自分のこととして考えるとわかりやすいですが、強力な保証人がついたと思えばいいでしょう。銀行はあなたに強力な保証人がついたことを確認して、今までの数倍も資金を融通してくれるようになったのです。
 これがギリシア、スペイン、ポルトガル、イタリアで起こったことです。要するに、実態以上に信用力がつき、その結果として身の丈に合わない借金ができるようになり、現実に多額の借金をしたと思えばいいでしょう。ギリシアなどはユーロ圏の傘に入ったことで、独仏や英米などからも多くの借入が簡単にできるようになり、また、これら独仏や英米の銀行はこぞってギリシアなどに資金を貸し込みました。また様々な投資をしたのです。
 この借入金で消費して、ドイツなどから輸入しまくり、好況を謳歌、これはドイツなどにとっても好都合だったわけです。輸出好調、物が売れるからです。この資金の循環と経済の拡大でユーロ圏の諸国はすべて恩恵を受けたのでした。ユーロ導入のメリットだけをお互いに享受したのです。 】

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